地震大国とも言われる日本では特に、安心して暮らすために住宅の構造が肝心です。
しかし、耐震・制振・免震といった構造の違いがよく分からず、どれが良いのか迷われている方も多いでしょう。
そこで今回は、3種類の構造の違いと耐震構造のメリット・デメリットをご紹介します。
□「耐震構造」・「制振構造」・「免震構造」の違いは?
*耐震構造
建物自体を頑丈な造りにすることで、地震の揺れを受け止めます。
日本の住宅の実に約99パーセントが、耐震構造をしています。
大地震が発生した際には、建物が大きく揺れるため中にいる人も強い揺れを感じるでしょう。
*制振構造
ダンパーと呼ばれる制振装置を建物の壁や柱といった部分に組み込むことで、地震の揺れを吸収して熱エネルギーに変換します。
大地震の際も建物の揺れを抑えるため、ひび割れが生じる可能性が低いです。
耐震構造と比較すると20パーセントから30パーセント程度の揺れが減少します。
*免震構造
建物の基礎部分にゴムでできた免震装置を設置することにより、地震の揺れを足元で吸収します。
大地震の際は建物が長い時間ゆっくり揺れることが特徴で、建物の損傷や家具の転倒がしにくくなります。
その分建築コストは高くなりますが、地震の力を40パーセントから60パーセント減少できるため、マンションでの採用が増加しています。
□耐震住宅のメリット・デメリット
・耐震住宅のメリット
1.コストパフォーマンスが良い
制振装置や免震装置を建物に組み込む制振構造・免震構造の住宅はその分費用が高くなり、設置に数十万円から数百万円かかります。
その点耐震住宅は、特別な装置を組み込む必要がなく工期も比較的短いため、コストパフォーマンスが良いといえます。
2.設置制限がない
例えば基礎部分に装置を設置する免震構造では、地下室が設けられません。
その点耐震住宅では特に設置制限がないため、設計の自由度が高いです。
・耐震住宅のデメリット
1.住宅が損傷するリスクが高い
耐震構造では、他の造りに比べて地震の揺れが直接建物に伝わるため、倒壊は防げてもひび割れといったダメージの蓄積は避けられません。
2.地震発生時に家具が転倒しやすい
揺れが直接建物に伝わることにより、住宅内の家具が転倒するリスクも高まります。
大きな家具の転倒は住んでいる人が怪我をしたり、火災に繋がったりといった二次被害に発展しかねません。
□まとめ
今回は、耐震構造・制振構造・免震構造それぞれの特徴と、耐震構造のメリット・デメリットをご紹介しました。
日本で一般的な耐震構造では揺れが建物に直接伝わるため、大地震に備えて定期的に補修をしたり家具の取り付けを入念に行ったりなどの対策をすることをおすすめします。